2010年6月4日

「おじいちゃんとおばあちゃんのアパート」

オランダの小さな街にある、65歳以上の人だけが住めるアパート。そこにいろんなタイミングが重なって、偶然住むことになった40代の女性。

とっても明るくて、毎日笑顔の彼女はこのアパートがとっても気に入っている。もちろん彼女はそのアパートで最年少。年を重ねた優しくて穏やかな住人たちの雰囲気が、そのままアパート全体を包み込む。

その日は久しぶりの彼女の休み。好きなだけゆっくり眠れる。
、、、リーン、リーン、、、
そんな彼女の眠りを妨げる朝の激しい電話のベル。
「、、、ハロー?」
「おおー!やっぱり寝とったのか!早よ起きんと仕事に遅れるぞ!」
隣のおじいちゃんからのモーニングコール。仕事に出掛ける時間になっても彼女の車が置いてあるのを見て、心配して電話をしてきたのだ。

彼女のボーイフレンドの友達がアパートに遊びに来た。一緒にご飯を食べたり、夜中に釣りに出掛けたり。楽しい友達との時間。でも、住人たちはそんな様子を心配そうに見てたのだ。「、、、あの男は誰だ?!いつもの彼氏じゃない!!!」そうです、住人たちはゴシップ好きでもあるのです。数日後やってきたボーイフレンドに「あの男性はボクの友達だから大丈夫だよ。」と言われ、安心した住人たち。さもなければ、彼女の悪い噂が飛び交っちゃう。

アパートに住む、おじいちゃんの奥さんは痴呆症で施設に通ってる。毎日施設のバスがおばあちゃんを迎えに来て、送り届けてくれる。そして毎回おじいちゃんはバス停までおばあちゃんを送り迎えする。何度も同じことを聞かれても、子供のようなワガママを言われても、おじいちゃんは優しくおばあちゃんに答える。
「2人の間には48年前と変わらない愛情がそこにはあるんだよ。それを感じるんだ。」
と、彼女と彼女のボーイフレンドが言う。

何日か彼女の姿を見かけないと、目の前のパーキングからクラクションをならす。「おーい!ちゃんと生きてるか?!」そんな声が聞こえそうなクラクション。もちろん彼女と彼女のボーイフレンドは窓から軽く手をあげ「はいはい、生きてるよー」と返事する。

そして住人たちは年に一度、みんなで食事を持ち寄り、パーティーを開く。もちろん彼女も住人として誘われる。
「で、パーティには参加するんでしょ?」
と、尋ねた私。
「もちろんノーよ!だって死ぬ程退屈な音楽なんですもの!!!」
と、笑いながら答えた彼女。
うーん、確かに彼女には合わないかもね。笑 でも、そういうパーティーって素敵だなと思いませんか?おじいちゃん、おばあちゃんたちが、それぞれ得意な美味しい料理を持ち寄って、若かりし頃の思い出の音楽を聴きながら、話に花を咲かせる。

そんな話を笑いながら楽しそうに話してくれる彼女。うん、そのアパートが大好きみたい。私もそんなアパートの住人になってみたくなった。

気持ちよく寝てるのに電話で起こされたり、プライベートをいちいち彼氏に報告されたりって、煩わしかったりもするけど、みんながみんなを気遣い助け合って生活している。そういう温かさが彼女の話から伝わってくる。

もちろん今回の旅行で家を数週間空けることは伝えた、と彼女。だってそうしないとみんな心配になって警察呼びかねないもんね。笑 そして隣のおじいちゃんが快く郵便ポストの管理を請け負ってくれたそうです。

なんか、このアパートって映画に出てきそうだよね。笑

3 件のコメント:

  1. こうゆうの好き。なんだかホントに映画になりそうな感じが伝わってくる。
    彼女の人柄さえも。

    返信削除
  2. イン友だんな2010年6月6日 11:25

    現世に戻りました。
    今回はお肉(鳥)が3回もあってちょっとビックリ。

    返信削除
  3. ☆おはるさん
    うん、彼女が最高にご機嫌な人なんだよ。彼氏も。一緒にいるだけで楽しくなる。このアパート遊びにいってみたいよね。おはるさんも好きなのが分かる!笑

    ☆イン友だんなさん
    お疲れさまでした。無事の帰国、なによりです。そして今回もいろいろ救援物資をありがとうございました!

    返信削除